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#自分史のブログ 山の辺書房自分史編集室より 連載第八回

連載第八回

文章を絵画的に表現した結果
何が起こったか!?

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●「文章描画法」は読み易い。苦も無く読める。だが、果たして主人公の心の奥まで表現出来ているのか。このような疑問は物書きには陰の如くついて回る。いくら気力を込めて書いたつもりでも、自著のことは闇の世界とな。物書きの孤独もこの点に証明される。
 本当に中身はどうなのか? を出版後各界から頂戴した感想文の一部を次に掲げて考察する。

………………………書評・感想文抜粋……………………
A氏
 児童図書「ど根性」発表記事を新聞で見て直ぐ買って知人にも送り紹介しています。
 極貧のどん底の生活から耐え忍び苦闘して立ち上がった根性は【金次郎、おしん】そっくりで、涙と力強さをもって読ませていただきました。
 万人必読の書。心から頭がさがりました。

 

B氏
 午後から仕事を休み、一気に読み終えました。夜はすでに一時過ぎになり、床のなかに入り眠らねばと焦りはしたものの、深夜の河原に、言語を絶する過酷な労働に骨身を削るひとりの小学六年生が脳裏をかけ巡り、とうとう朝まで一睡もできなかった。
 あまりにも凄まじい苦難の実話でした。
 激動の昭和に、しかも我が郷土に、明治、大正期に見る立志伝中の人物が実在したとは……。この本こそ一般人はもとより青少年必読の書といわずして何といえよう。

 

C氏
 地を這うような、どん底の人生から立上がる凄絶さ。誠に目を見張るような人生だと思います。
 一気に読みおえた私は、目を閉じた儘、暫く放心状態でした。やがて、万感交々去来するものがありました。
 今更のように、中岸さんの人間の深みを感じました。誰にでも真似る事が出来るものではありませんが、せめて心の糧にしたいものだと思います。

 

D氏 
 想像を絶するような苦労を淡々と乗り越えてきた中岸さんの鋼鐵のような強い意志と精神力に感動をおぼえた。
 母に心配させたくない、悲しませたくないと、がむしゃらに頑張り抜く中岸少年の姿が今も瞼に焼き付いて離れようとしない。
 少年少女諸君がこの本に接するとき、今、自分たちが忘れかけている〝何か〟を思い出し、同時に、さらに大きな夢と希望を抱いてくれるであろうことを確信する。

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E氏
 児童図書「ど根性」を読みまして只々感動するばかりです。まだ幼い十一才のときより真夜中のじゃり持ち土方仕事にでて、両親を思い、家庭を思い、また、自分に打ち勝つ精神力、たくましさ、その精神の粘り強さには驚嘆するばかりです。
 とくに、百頁の、母親が我が子に詫びて見送るあの情景が涙させるものでした。
 大阪の釜ヶ崎で立ちん坊で働き、ドヤ街の生活をしながらよく頑張りましたことは[ど根性精神]のひと言につきるものと思います。
 主人公の社会での生活された場面も、人間性の切磋琢磨が相まって築きあげられた人生観は、わたしの胸を深く打ちました。
 作者が、主人公の人柄を克明に掘り起こしたこの著作は素晴らしく、その執筆に感銘いたしました。

 

F氏
 嵐の中に、小さな舟が波にもまれつつ幼い魂を燃やし続ける主人公、中岸さんの人柄に感動しました。
 現在の中学生や高校生に、また、ひとりでも多くの方々に、この本を読んでいただきたい。
 学ぶことのみを知って、真に生きる力を失いつゝある昨今、失意のどん底にいる若者たちよ、この本の主人公中岸おさむさんのように、這い上がれ、地の底から這い上がれ。失敗を敗北であると思い込む若者。このことで、年間多くの命を自らの手で失う(自殺)。
 失敗をバネにして、雑草のように生き抜いてほしい。そんな訴えをしている本が少ないなかで、「ど根性」の本は、失敗は敗北ではなく、人生のバネであり、苦労は他人のためではなく、自分のものであると教えている。

 

G氏
 「ど根性」なる作品に接する機会を得て、非常に感激している。
 今、わたしは、この一冊の本を読み終えたが、自分自身呆然としてしまって、何だか、自分の頭に占めていた既定の概念というものがすっかり掃き消されてしまったような気がしている。書評を書くその糸口すら直ぐに出てこない始末だ。
 わたし自身の生活体験は勿論のこと、わたしの頭のなかでも想像できない、主人公おさむ君の壮絶たる生き様のなかに、現在の人々がとっくの昔に忘れてしまった人生の真の価値について答えてくれる何かがあるような気がする。
 昨今、こどもたちを取り巻く環境は誠に憂慮すべきものがあり、数多くの学生諸君が学校生活のなかで、自分の生きる意味を見失い、喘ぎ苦しんでいる姿を多く目にしますが、どうしたら彼らに、それぞれの人生目標を掴ませ、自分の生き甲斐を見つけさせてやれるのか……。日夜、悩み続けている。
 近年、わが国は、急激な経済発展により、国民生活は豊かになってきたが、反面、学校の荒廃等憂慮すべき問題が生じている。
 社会に於ける幾つもの退廃した現象、そのなかでの家庭崩壊。併せて低学力という三重苦を抱えた現在の悩めるこどもたち。そんな彼らが、自力ではどうすることもできない苦しみのどん底から激しく訴える姿……それが、教師に或いは学校に対して苦悩をぶつける行為……。こうしたことが、校内暴力の様々な姿となってあらわれているのではないか。
 この「ど根性」作品のなかで、主人公の置かれている生活実態は、現在のこどもたちと比較すれば、それは、とても想像できないほど凄まじい状況である。然し、その渦中に居ても決して自分自身を見失うことがなかった。自分の生きる目的をしっかり胸に抱いて、それを支えとして這いつくばって頑張ってきた。それには、彼自身、天性ともいうべき強じんな意思力を備えていたからだ。
 そんななかで、ただ一つ、彼にとって幸いしたことは、どん底生活でも最後まで家庭が崩壊することがなかったことだ。なかでも、どっしりとした母親の愛の姿が存在していたからだと思う。だからこそ、主人公の心の裡には、親に対する孝心、貧しくとも必死で家庭を愛する心が生き続けてこられた。
 そして、周りの皆が自分を蔑み、嘲笑しているなかで、自分を認めてくれ、心のなかに一筋の光をさしこんでくれた人……それは、教師、区長、役場職員だった。これらの方々の一言によって、自らのツッパリの殻を脱ぎ捨てやる気を奮起させた。ここのところを、この本の作者は、底辺に置き去りにされたこどもたちの心理をものの見事に描き出している。
 わたしは、この作品のなかに生き続ける主人公の生き様に、また、彼を取り巻く環境に今更ながら教育の原点を再発見、再認識させられた気がする。
 今日、わたしたちの周りを振り返ってみると、こどもたちに身体に汗して、そのなかで感動が得られるという直接体験を体感させられる機会が非常に少なくなっている。とりわけ、教育現場では五感を通して得られる喜怒哀楽感情を育てることが次第に困難になってきている。このことが、こどもたちに「根性の精神、強い意志力」を育てにくくしている原因ではないかと考える。
 たしかに、この本の主人公が育った時代背景は今とは別世界の感がある。しかし、この作品のなかに脈々と流れる主題(精神的な価値)は、時代を超え、いかなる社会に於いても相通じるものがあり、作品を読む人の心を揺り動かす。

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次回に続く

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